もう5年ぐらいになるのかな。はっきりいつからとは覚えてないけど、誘ってもらったコンサートや舞台なんかで、サポートに徹するあなたに目を奪われた。こう言っちゃ何だけど、そんな特別ダンスがうまいわけでも歌がうまいわけでもトークがうまいわけでもない。ただひたすら誠実さとか実直さが伝わってきて、それがすごくよかった。大して実力もないのにあたしはすぐ思い上がっちゃうから、一人で空回って周りの人たちを傷つけたり自分自身を振り回したりして、勝手に疲れたりしてた。不思議なんだけど、あなたの固さ、実直さが、あたしのそんな凝り固まった自意識を、見るたびに解してくれる。ああ、あたしも自分のやるべきことに謙虚に取り組まないといけないなって。えらそうにしている場合じゃないぞって。多くて年に3~4回。会う日を指折り数えて待つなんて種類の気持ちじゃないけど、あなたを見た日は本当に幸せな気分になれたんだ。本当のことはあたしにはわからない。でも、もうきっと会えないんだろうと思う。ひたすら悔しい。悔しくて悲しい。あなたにもう会えないなんて、信じられない。信じたくない。信じたくないよ。コンサートへ行けばまた、スクリーンの端っこで見切れているあなたが満面の笑みを浮かべているような気がする。